愛知大学記念館(愛知大学東亜同文書院大学記念センター)

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【書籍刊行】愛知大学東亜同文書院大学記念センター叢書 『書院生の見た日中戦争』三好章編 が刊行されました

本書は、2019年度から開始された愛知大学東亜同文書院記念センターのプロジェクト「書院生大旅行報告書再読研究会」の成果の一部である。


本書は第1部総編と第2部各編から成る。第1部では、日中戦争の書院生「卒業大旅行」の概要、日中戦争全面化以前およびその直後の調査旅行の経緯と変化、調査旅行報告書の資料状況を紹介し、補論として現在中国で進められている『支那省別全誌』の中国語翻訳について言及している。


2部では、書院生による内モンゴル、特にフルンボイルに関する調査、また「蒙疆」調査と書院背の時局認識、あまり注目されてこなかったカトリック教会「蒙疆」地域における活動、文化工作の一環としてのモンゴルの人々への教育政策にも言及する。崋山の山西では満州国の協和会とも様々な関りを持つ新民会の活動、さらに八路軍による初期日中戦争での攻勢である「百団大戦」時期の観察が検討されている。華中では、対日協力政権成立とその維持のための清郷工作を、実施した日本軍と汪政権の側から観察した。