実父の小池熊吉は息子喜一を弟の養子に出してからも心配して便りを送っていた。1911（明治44）年～1917（大正6）年。

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先寒中にも御変りなく
御奉務の由大賀此事に候
当方も何の別儀なく達者に
暮居候間御安神可被成候
当年は雪薄くして雪舟
より小松へも引けない雪道が
ひしやつく位だ六十年以来
無いと云ふ噺だ隨て寒く
ないので安泰だ米価は
壱俵代四円四拾銭小松の
相場だ売る人は安過るで困
つて居る役所の方は地方へ出張
の様も聞たるかまた出張は
無いが先ずさいなら
十月二十九日　　　熊吉
喜一殿