愛知大学東亜同文書院大学記念センターでは、本センター・プロジェクトの一環として
企画展「子は吉祥のシンボル -新婚夫婦のための中国年画-」を2022年12月8日(木)~2023年3月24日(金)、愛知大学記念館企画展示室にて開催いたします。
中国では、かつて結婚の最大の目的は家を継ぐ「子=男児」を得ることでした。そのため新婚夫婦の部屋には、子授けのためのさまざまな木版画が貼られ、ベッドには棗(ナツメ、中国語音zaoが早zaoと同音)や落花生(らっかせい、生は産む)をまいて、跡継ぎが一刻も早く生まれるようにと願いました。
新婚夫婦のための木版画は「喜画」とよばれ、明清から民国にかけて(17~20世紀前半)庶民の人気を得ました。喜画の特徴は、①描かれた子はすべて男児、②内容は「子授け」「胎教」「性教育」、③全国の生産地ごとの地域性、④謎解き絵、です。
「麒麟送子」は最も普及した子授け画です。伝説の神獣麒麟が天意を受けて男児をもたらし、その子は学問(科挙及第)や仕事(出世)で成功して一家を富裕にし、繁栄させます。
この企画展は、現地で収集した多くの「喜画」と馮驥才主編『中国木版年画集成』(22巻中華書局2013年)の中から優品を選び、展示しています。縁起のいい言葉を、魚や石榴(ザクロ)、笙(しょう)など、同じ発音の物や似た形に託した、庶民の思いをご覧ください。
東亜同文書院大学記念センターの展示とともにご覧いただければ幸いです。
主催:愛知大学東亜同文書院大学記念センター(企画担当:松岡正子)