愛知大学東亜同文書院大学記念センターは、以前文部省に選定をうけた「オープン・リサーチ・センター」プロジェクトに続いて、2012年度からは文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の一環として、「東亜同文書院を軸とした近代日中関係史の新たな構築」というさらなるテーマで研究に着手しました。この中で、①「近代日中関係史の再検討」、②「「大旅行調査」から見る近代中国像」、③「書院の教育と中国研究システム」、④「書院から愛知大学への接合性」、⑤「書院及び初期愛知大学卒業生の国際的就業」、の5グループを編成し、調査研究を進めてきました。
本書は、上記⑤の「書院及び初期愛知大学卒業生の国際的就業」のグループの調査研究の成果に当たります。この成果を巡り、2017年1月22日に本学でシンポジウムを開催した。その成果は『同文書院記念報』Vol.25の「別冊」として刊行されたが、会場からは様々なご意見をいただいた。それらも踏まえ、原発表の英語、中国語での論考についても日本語に直して分かりやすくし、さらに編者が、書院の旧制大学後の卒業生や戦時下の繰り上げ卒業生および繰り上げ進級生で、戦後の愛知大学や他大学への編入生たちの就業軌跡についての調査研究を新たな章として加え、ここに愛知大学東亜同文書院大学記念センター刊の叢書の一冊としてまとめ刊行いたしました。