愛知大学三遠南信地域連携研究センター > センターについて > これまでの取り組み
センターでは、これまで三遠南信地域への貢献を目指し、地域と連携した様々な取り組みを展開してきました。これまでのセンターの取り組みをご紹介します。
これまでのセンターの研究プロジェクトのご紹介です。
導入費用の高さと技術取得の困難さは、地方自治体がGISに取り組む際に直面する2つの障壁だと思います。既存の業務システム放棄し、高額なGISシステムの導入と職員のGIS研修は、地方自治体にとって大きな負担になります。
ユビキタス空間情報に関する研究は、何処でも、何時でも、誰でも空間情報サービスを活用できることを目標としています。本研究は、既存の業務システムを母体に、安価なGISエンジンを組み込み、その中に、業務ロジック、自律型GISオブジェクトとマップ表示の機能を搭載することで、一般職員が特別な研修を受けなくでも操作てきるGISシステムを目指しています。このような業務向けのGISシステムは、大学から提供している空間データの参照など、GISの普及や活用により様々な効果が期待されます。
中部地方の基幹産業として、自動車産業は、環境にやさしい電気自動車の台頭を受け、産業の構造を含めて大きな転換期を迎えようとしています。これまでガソリン自動車の製造を主流とした中部地域製造業の集積はどう変わるか?また、それによりどのような経済波及効果を及ぼすか?これらの問題を解き明かすために、本研究が行われます。
産業立地に関する研究は、データマイニング・空間統計的手法・地域経済に関する計量モデルの3段階で進める予定です。中部地域製造業の産業データベースの構築やデータ駆動型の実証研究手法の活用などによって、地域の産業政策形成に結びつく産業の分布構造の実態を明らかにすることを目指しています。また、こうした研究手法を用いた中国内蒙古のの酪農・乳産業に関する産業集積の実証研究は、中国内蒙古大学との共同で研究を行う予定です。
三遠南信地域連携センターおけるこれまでの取り組みによって、地域の住民と行政の活動や、企業や市民団体などさまざまな「地域協働」がはじまっていますが、こうした活動の元になる人的資源に関する研究については、個別事例の定性的研究が多く、その地域的差異や共通性は把握されにくかったと思います。
人的資源に関する研究では、三遠南信地域を対象に、まずは特定地域を調査地として定め、GISを活用して次の2つのステップにより進める予定である。 一定の地域で多くの住民が、当該地域の基幹人材として認知している人を特定し、彼らが社会的な交換関係を結んでいる他者と形成している関係体の構造と機能を析出して、地域における基幹人材の役割と貢献の実情を空間的に把握します。 基幹人材のパーソナリティや行動特性などを基準に、基幹人材の活動や影響力などがおよぶ範囲から、次世代の基幹人材候補者を発掘します。その際、当該地域の地域づくり構想に沿って新しい基幹人材像を検討します。
また、これまで活発な活動を展開してきた流域大学卒業生に関する人材育成事業は、この人的資源に関する研究の枠組みの中で継続していく予定です。
本研究は、大学と地域を含めた地域情報プラットフォームの形成を目指しています。具体的には、これまで愛知大学で構築していた分散型GIS基盤システムを地方自治体まで拡張し、地域連携型GISシステムとしての実験を行います。 そのため、大学と地域の間に、研究活動や住民参加型まちづくり活動に活用できるTV会議システムを導入します (図1) 。こうした分散型GISシステムと地域間のTV会議システムを融合した情報システムの活用による地域防災に関する研究を計画し、GISシステムを駆使した地域づくりのあり方を探ります。
センターがこれまで主催したシンポジウム、研究会、講演会等のイベントのご紹介です。
10月15日・16日に、新潟県新潟市で開催された第8回「地理情報システム学会、学術研究発表大会」で以下の2件の研究成果を発表した。
(1)「地域連携型のGISシステム構築に向けた取り組み」
佐藤正之、澤田貴行、陶俊、西尾美徳、蒋湧
(2)「ArcObjectを用いた行政向けのGIS-Baesdツールの開発」
澤田貴行、蒋湧
[2008.01]
中部ESD(持続可能な発展のための教育)拠点
[2006.12]
国際OVOP政策学会(通称 一村一品学会)
[2005.06]
地域交流連携連絡会
1月23日に、本学、経済学部の打田先生、主催の研究会
「事業所間の技術が共有が設備投資の調整費用にもたらす影響に関する研究会」にて大学院経済研究科の陶俊が、GISを活用した研究の報告を行った。
報告テーマ:「空間解析手法を用いた産業クラスターの評価」
「GISが解き明かす地域のすがた 住民・地域・自治体」と題して、GIS Day in 愛大2009が、2009年4月30日(木)に、愛知大学 豊橋校舎で開催されました。
ESRIJapanの名和氏の基調講演にはじまり、報告、研修と内容が多く、また、学内外から40名以上の皆さまにご参加いただき、皆さまからいただいたご意見・ご感想からも有意義な場であったと思います。
内容については、翌日の5月1日(金)の東愛知新聞にも、「『意志決定』にも役立つGIS」と紹介されています。
愛知大学三遠南信地域連携センターにおけるGISの取組の成果として、今後も普及・啓発活動を続けていきたいと考えています。
その他、センターの地域連携に関連した取り組みの紹介です。
住民が参加できる講座として「とよがわ流域大学」を3年にわたり開催しました。講座修了生からは「共同提案事業」が提案されるなど、新たな活動が生まれています。
2007年度のとよがわ流域大学・流域圏講座実践コースでは、実践的なテーマにもとづく講座を実施してきました。
その成果として受講生は「環境保全・地域通貨」「水循環・上下流交流」「広域観光・歴史文化」の3つのテーマに分かれて具体的・実践的な流域圏づくりプランの企画提案書を作成しました。
企画提案書をご覧になりたい場合は、下記よりダウンロードしてください。
豊川流域圏通貨「まい」を呼び水にした環境保全活動 (PDFファイル/9.26MB)
清流とよがわの恩恵を流域全体で享受するために (PDFファイル/4.05MB)
豊川は、愛知県北設楽郡設楽町の段戸山(標高1,152m)を源流として南下し、新城市長篠で宇連川と合流、その後、豊橋平野を流れています。豊川市行明では本流と豊川放水路に分かれて三河湾に至ります。 幹川流路の延長は77km、流域面積724km²の一級河川です。
源流 | 段戸山(標高1,152m) | 流域市町村人口 | 約61万人 |
---|---|---|---|
流域面積 | 724km² | 利水市町村人口 | 約78万人 |
幹川流路延長 | 77km | 年間降水量 |
上流域:約2,400mm 中流域:約2,200mm 下流域:約1,800mm |
豊川流域圏は、愛知県東部に位置し、
豊川に水を集めている地域(設楽町、新城市、豊川市、豊橋市、小坂井町)、
豊川に水を供給している地域(豊根村、東栄町)、
豊川の水を利用している地域(蒲郡市、田原市、静岡県湖西市)の10市町村(6市3町1村)
を指しています。
豊川流域の地形は、北西部に広がる標高600―700mの起伏の少ない三河高原と、東側に連なる標高 400―600mの急峻な弓張山地に挟まれた地形を基盤に形成されています。
下流域の豊橋平野は、東西両山地の間に形成された沖積地であり、山地の麓には小坂井台地と豊川左岸段丘があり、その間が河川氾濫原の豊川低地となっています。
豊川上流部は大部分が森林に覆われ、流域内の年間降水量(昭和36年―平成9年)は上流域で約2,400mm、中流域で約2,200mm、下流域で約1,800mmあり、全国レベルで比較すると多雨地域に属しており梅雨期及び台風期に降雨が集中しています。
東三河の母なる川「豊川」の上流域と下流域は、同じ生活圏・交流圏にあり、特に「水」を通して相互に結びつきが強い地域でありながら、「流域圏は一体である」という共通認識はいまだ十分に形成されているとはいえない状況にあります。
こうした中で、上・下流域の連帯意識の醸成を図り、流域圏が一体となって発展・活性化していくことを目指す地域づくり「豊川流域圏づくり」を地域住民自らの手による取組みとして推進することで、ひいては東三河地域全体の発展に資することを目的とします。
学生や地域住民の参加を得たワークショップ的な講座を開設し、”豊川流域圏づくり”に中心的な役割を果たす人材を育成するとともに、豊川流域圏における「治水」「歴史・経済・文化」「市民活動」等に関する知識の習得、人的交流等を実施しました。
以上をふまえて、受講生による具体的・実践的な流域圏づくりプランの企画立案を行い、実践活動を行っています。
これまでは、
2005年度は愛知大学と愛知県、
2006年度は愛知大学、国土交通省豊橋河川事務所と(社)東三河地域研究センター、
2007年度は愛知大学、愛知県、国土交通省豊橋河川事務所と(社)東三河地域研究センターによる連携事業として取り組んできました。
新城市立鳳来西小学校の生徒の皆さん新城市立鳳来西小学校では、学校の東側を流れる豊川(寒狭川)で、毎年夏に「寒狭川で遊ぶ会」が行われます。
これは6年生を中心とした学年タテ割りで”なかよし班”をつくり、水中綱引き、チューブ下り、手ぬぐいでの魚とり、親子での水生生物調査など、様々な川遊びを体験する行事です。
川遊びの後には、みんなで育てたナス、ピーマン、トウモロコシなどの野菜とアルミ缶回収で得たお金で買った肉を材料にした楽しいバーベキューが待っています。
「寒狭川で遊ぶ会」を通して、子供たちは、ますます豊川が好きになったようです。
きれいな水にしか生きられないアミカを発見!
水生生物の調査は、4年生を中心に行われ、川底の石を裏返したり、掘り返した泥をザルや網でこしたりして捕まえた生き物をバットに移し、ルーペで観察しながら慎重に分類していきます。
この成果として、平成16年11月に行われた国土交通省主催の「とよがわ流域圏こども会議」で、過去3年間調査した水生生物のデータをもとに、上流部の水質判定を「きれいな水」と発表しました。
実際に見つかった水生生物を見てみると、平成15年の調査結果では、カワゲラやヤマトビケラなどが数多く見つかり、さらに平成16年の調査では、清流にしか住まない”アミカ”を初めて発見しました。
アミカは頭から2本の触覚をつき出し、腹部に6個の吸盤があるロボットのような形をした生き物で、子どもたちも珍しそうにバットをのぞきこんでいたそうです。身近にこんな清流があるって幸せですね。
平成7年、豊川と豊橋市内を流れる川を”自然のめぐみ”、”心のふるさと”であると捉え、子供たちの心の中に、川に対する感謝の気持ちや大切にする思いを養っていこうと『「母なる豊川」活用推進委員会』が結成されました。
委員会の主な活動は、豊橋市内の小中学校に参加を呼びかけ、クリーン活動や自然ウォッチングといった各学校が独自に考えた取組を支援していくことです。
平成17年度は、38校が参加して、それぞれ、個性的な取組を行っています。
内容はそれぞれ違っても、豊川をもっと知り、水の恵みに感謝し、大切に守っていこうとする心は、どの学校も共通しています。
また、学校間の交流を図るため、毎年「豊川に学び親しむ会」を実施しています。
この会は、豊川流域各地を訪れ、講師のお話を伺ったり、水生生物調査・水質調査を行ったりする”学び”と、川遊びで得られる”親しみ”の両面を通して、もっともっと豊川を好きになろうとする楽しい会です。
豊川と子供達、未来がますます楽しみですね!
いにしえに「穂の国」と呼ばれていた東三河流域圏をフィールドワークとして、平成9年に市民レベルで東三河流域の森を守ろうと呼びかけて結成された「穂の国森づくりの会」。
年齢・性別・職業などさまざまな人たちが、このかけがえのない森林を保全し、持続的に活用しようと取り組んでいます。
会は、グランドワークの手法を用いて市民、企業、行政の連携によって組織され、ボランティア精神で運営されています。
具体的な活動は、年10回以上におよぶ下刈り・間伐・枝打ちなどの森林作業体験、小学校を対象として行う森林機能説明のための訪問授業、森での植林や間伐といった作業体験、自然観察体験など。
また、行政と連携して、原生林きららの森での環境学習教室も開催しています。さらに、森を訪ねるツアー、セミナーの開催や機関誌発行といったPR活動など盛りだくさんです。
森は、きれいな水や空気を育み、美しい景観でわたしたちを癒してくれます。
会は、そんな大切な森を守るために、流域一体となった水源かん養活動の推進に取り組んでいます。
朝倉川は、豊橋市東部の弓張山地を水源として市街地を流れ、豊川へと注ぎこむ一級河川です。多くの市民に親しまれている朝倉川を、かつてのようにホタルが舞い飛ぶ川にしようと活動しているNPO法人があります。
「ホタルのとびかう人里づくり」を目標に掲げている朝倉川育水フォーラムです。
主な活動は、源流の里山づくりをはじめ、清掃、植樹及び植樹メンテ、ビオトープ(生物再生のための生息地)づくり、ホタルの飼育・観察など。
中でも平成9年にスタートした朝倉川全域のゴミ拾い「朝倉川530(ゴミゼロ)大会」は、約2000人が参加し、今では毎年恒例の一大イベントになっています。
また、フォーラムが平成14年度から実施している「朝倉川環境調査」の結果では、ウズムシやヤゴ、シジミ、カワニナ、オイカワ、ヨシノボリ、鮎などが発見され「わりあいきれい」という判定になっています。
生き物の楽園「ビオトープ」をつくろう!
朝倉川の朝倉川環境調査風景朝倉川育水フォーラムでは、朝倉川源流部の滝ノ谷で2000平方メートルの土地を利用して、ビオトープづくりに取り組んでいます。
ビオトープとは、ドイツ語のBio=生き物、Top=場所を組み合わせた言葉で、「いろいろな野生の生き物が暮らす場所」という意味です。
つまり、小川や湿地、池、田んぼなどを作り、人工的に自然を復元させ、生き物の楽園をつくろうというものです。
朝倉川では、メンテナンス作業も盛んで、草刈りや水路内の整備、ホタルの幼虫の天敵であるアメリカザリガニの駆除や野草の天ぷら料理など、子供たちや住民が気軽に参加できて、楽しい活動が行われています。
財団法人豊川水源基金について
財団法人豊川水源基金は豊川水系における治山、治水や水資源のかん養に重要な役割を果たしている森林の保全、あるいは、水資源開発に伴う影響緩和のための措置を継続的に実施していくための組織として県と東三河地域の市町村により昭和52年に設立されました。
取組内容
「水源地域の振興」
「水源林対策事業」
水源林保全流域協働事業(平成17年度から)
センターでは,東アジアの地域づくりに貢献し,また,大学・学術研究機関と研究協力を推進するために連携協定や協力覚書(MOC)を積極的に結んでいます。また,国内外の学会や研究組織の活動にも参画しています。
地域の持続可能な発展にとって実践的に意味のある共同研究、学術交流を推進するための学術交流協定である。
具体的に、共同研究の実施、国際シンポジウムの開催、研究者の交流等を通じて、日中間の地域問題を課題に研究を推進するものである。
「過疎と地域づくり」の共同研究および日韓両国の過疎地域の持続可能な発展に関する比較研究を推進するための覚書である
11月11日、内蒙古大学経済管理学院と三遠南信地域連携センターとの間で、 「GIS応用と地域経済産業に関する日中共同研究センター」設立の 合作協議書が交わされました。
地域の持続可能な発展にとって実践的に意味のある共同研究、学術交流を推進するための学術交流協定である。
[2006.04-]
豊橋技術科学大学の県境を跨ぐエコ地域づくり戦略プラン研究会に参加し、取り組みを行いました。
具体的に、共同研究の実施、国際シンポジウムの開催、研究者の交流等を通じて、日中間の地域問題を課題に研究を推進するものである。
「過疎と地域づくり」の共同研究および日韓両国の過疎地域の持続可能な発展に関する比較研究を推進するための覚書である。
豊橋商業高校では、10月19日に、豊橋市内の「交通量調査」を実施予定です。
昨年に引き続き、この「交通量調査」の一環として、三遠南信地域連携センターでは、高校生がGIS・GPSを体験する機会を用意します。
そこで、まず調査の前の10月5日、GISの紹介とGPS操作法の講義を行いました。
豊橋商業高校のGIS・GPSの体験の2回目です。10月20日の「交通量調査」持ち歩いたGPS機器の記録をみて、調査の記録写真とGPSの記録を照合する体験を行いました。
10月20日、豊橋商業高校の「交通量調査」の当日、改めて、体験用GPS機器の用意と、直前の操作方法の説明を行いました。簡単な操作マニュアルも用意しています。
この利用の結果を、後日復習する予定です。うまく記録が取れているとよいのですが。
豊橋商業高校では、今回、52回目の「交通量調査」を10月20日に行う予定です。
今回の調査で、初めて、愛大が提供したGPS機器を体験してもらうこととなりました。
そこで10月6日、調査の前に、GISの紹介とGPS操作法の講義を行っています。