愛知大学三遠南信地域連携研究センター > 研究会 > 第15回コア研究会「情報化・知能化社会におけるトヨタ研究開発モデルの特徴と限界」を開催します
2016年12月15日
・日時:2016年12月20日(火)17:30~18:30
・場所:愛知大学豊橋校舎本館2階(三遠南信地域連携研究センター)
・発表者:趙妍 ZHAO Yan(上海師範大学・大学院生、三遠南信地域連携研究センター・客員研究員)
・発表要旨:1台の乗用車は,約2~3万件の部品より構成され,その製造工程は極めて複雑であり,高い水準の研究開発の能力と製造能力が必要である。戦後,日本の自動車産業は,国の経済と産業を牽引する基幹産業にまで成長した。現在,日本車の品質は世界のトップレベルに達しているが,その成功の裏側には,優れたR&Dの体制とそれを支える下請け生産システムの存在が指摘できる。 本発表は,日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ関連の自動車部品メーカーを対象として,組み立てメーカーとサプライヤー間の部品設計と製造の取引関係に注目し,トヨタ特有の承認図と委託図方式を通じて,グループ全体のR&Dの能力を向上させる体制の分析を行う。とりわけ,承認図生産方式の導入により,部品の設計と製造に関する高度な技能を,東海地方の製造業全体にまで波及し,世界に類をみない自動車部品生産の集積地まで成長してきたメカニズムを解明するとともに,情報化・知能化社会におけるトヨタ研究開発モデルの特徴と限界を指摘する。