今年で3回目となる国際教育推進講演会は、「世界に出れば日本を知り、日本を知れば世界が見える」をテーマに、村上聡氏((独)国際協力機構(JICA)中部センター研修業務課課長)と、稲葉哲朗氏((公財)名古屋国際センター留学生課長 )に講演いただきました。
村上氏は、大学時代のワークキャンプが国際交流活動の原点になったこと、大学院時代のイギリス留学では、初めて長期間日本を離れ、寮生活で様々な国・地域の人々との暮らしで文化背景の違いを実感し、また、日本人であることを強く意識した自身の経験を交え、講演いただきました。
「自分の柱やルーツを大切にしなければ、相手からは信頼されない。また、自分の文化や歴史を大切にできない人は、相手のそれも大切にできるはずがない。自国の文化や歴史を理解しないと、外国の文化や伝統を理解することは難しく、自分がいる場所を見つめなおして理解し直してみることが大切である」と講演いただきました。
稲葉氏は、地域における多文化共生の促進、地球市民意識の醸成と活動の促進を大きな事業方針として事業展開に携わっている経験をもとに、多文化共生における外国人が抱える問題の多様化、複雑化など、現代社会の抱える課題について講演いただきました。
文化・風習や制度の違いに基づくこれらの課題は、専門家を含めた様々な人々の協力を得なければ解決できないこと、情報過多でかつグローバル化する現在では、「知恵」「知識」「情報」の「知の三角形」が思考するうえで重要である、「知識」は「知恵」をもとに消化し蓄積され、「情報」は「知識」に照らして処理されるもの、学生時代にはぜひこのような学びに期待したい、と講演いただきました。